今回はオーディオテクニカのポータブルヘッドホン(エアースーツシリーズ)、「ATH-ES7」のレビューです。
悪い機種ではないんですが、外で使うことを考えると、なかなか評価が難しいヘッドホンです。

○ATH-ES7
オーディオテクニカのポータブルヘッドホンの中堅機種で「ATH-ES55」の上位機種です。
実売価格は約15000円ぐらいとまあまあ…。
下位の「ATH-ES55」に比べて一回り大きくなり、ハウジングが鏡面加工されているのが外見上の特徴でしょうか。
しかし装着してみると、ヘッドホンの形状のせいで頭の上部がつぶされるような感じになり、人によってはあまり見た目が良くないかもしれません。
この点に関しては「ATH-ES55」のほうが上だと思います。

音質的には、「ATH-ES55」と比較するとダイナミックレンジが大きく、中高音が強めに出ます。
低音は控えめになりますが、かなり低い周波数(重低音)では逆に強めに出るようです。
iPodなどの携帯オーディオ端末にチューニングしたような感じかもしれませんね。
低音の量感が控えめでも、「ATH-ES55」と比べると引き締まった感じなので、より繊細な音を楽しみたい方には向いているかと思います。
但し、金属的な高音が前に出過ぎるので、聴くソースにもよりますが長い間使用していると疲れるかもしれません。
また、「ATH-ES55」と同様に音場は狭く、あまり臨場感が感じられないと思いました。
これはオーディオテクニカのポータブルヘッドホン全般に言えることなのでしょうが…。
装着感は、側圧がやや高めですが、慣れれば気にならないレベル。
音漏れや外音遮断性はそこそこ。
長い間付けていると、耳が蒸れやすいのは「ATH-ES55」と同様ですね。
携帯性は「ATH-ES55」と同等ですが、一回り大きい分若干劣ると言わざるを得ません…。
全体的に見ると、外でもクリアな高音質を楽しみたい方には向いているのですが、騒音の多い場所、例えば電車の中などで使用すると聴きづらくなる機種なのではないでしょうか。
通勤時に使うには、音質的にはマイルドであまり痛い音を出さない下位の「ATH-ES55」のほうが良いかと思います。
こちらのほうが中低音が出るため、周囲が騒音の環境でもなかなかいい感じに鳴ってくれます。
部屋でじっくり聴く分には「ATH-ES7」のほうが、レンジが広いため細かい音も聴きやすいんですけれどね。
オールラウンドでは、意外と使いづらい機種なのかもしれません。
補足ですが、鏡面加工のハウジングはちょっと触っただけでも指紋が付いてしまい、クリーナーでまめに清掃したほうが良いかと思います。
外見に気を使う方は、注意が必要です。